Sanoyas

LNG燃料焚きバッテリー搭載省エネ型バルクキャリアの概念設計 ~日本海事協会から設計基本承認(AIP)を取得~

株式会社新来島サノヤス造船

 当社は川崎汽船株式会社及び大洋電機株式会社と共同で、9万トン型ポストパナマックスバルクキャリアを対象にLNG燃料焚きバッテリー搭載省エネ型バルクキャリアの概念設計を確立し、日本海事協会から、設計基本承認(AIP:Approval in Principle)を取得しました。

 本船型は、低炭素燃料であるLNG を主燃料として想定し他産業を中心に活用が進んでいるリチウムイオンバッテリー(以下「バッテリー」)と、超高効率の永久磁石方式の軸発電装置(以下「軸発電」)技術を掛け合わせることによって高効率を実現しました。
 また、バッテリーを船内電力のプラットフォームとして活用することで、将来的にはグリーンエネルギーの取り込みと省エネ技術を掛け合わせて更なるGHG 削減への拡張可能性を考慮しております。

<AIP 技術特徴>

  • LNG燃料を主燃料とすることで従来の重油焚きに比してGHGを大幅に削減
  • 超高効率の軸発電と充放電速度に優れる小容量バッテリー及び大容量バッテリーを採用
    小容量バッテリー:船内電力のPeak Shaving、余剰電力の充電先として活用
    大容量バッテリー:余剰電力の充電先、荷役時の発電機の代替として活用

<効果に関して>

  • 航海中のDual Fuel発電機(以下「G/E」)を使用しないことにより、G/Eのメンテナンス費用を大幅に削減しつつ、船員の作業負荷低減に寄与
  • LNG燃料焚きによる大幅なGHG削減に加え、軸発電×小容量バッテリー採用のケースでは約2.5%の燃費効率を改善*
  • 軸発電×小容量バッテリーに加えて大容量バッテリーの採用で約3.0%の燃費効率を改善し*、G/E 搭載台数を1 台削減
  • (* 軸発電、バッテリーをどちらも採用しないLNG燃料焚き船型との比較)

LNG燃料焚きバッテリー搭載省エネ型バルクキャリアイメージ図

 当社はこの度のAIP 取得で得られた知見を活かして、2050 年脱炭素社会の実現に向けて研究を続け、環境負荷低減への幅広いニーズに応えられるよう努力してまいります。

<本件に関するお問い合わせ先>
株式会社新来島サノヤス造船
基本設計部
TEL:086-475-1559 FAX:086-475-1611
E-mail:miz-sdi2@sanoyas.skdy.co.jp
URL:https://www.sanoyas.skdy.co.jp