Sanoyas

当社建造のバルクキャリアにて実海域での運航データ流通基盤(IoS-OP)をフル活用

株式会社新来島サノヤス造船

~造船所から就航中の船舶の性能モニタリングが可能に~

 近年、国際海運のゼロエミッションへの機運が高まる中、実海域性能最適化はますます重要な分野となってきています。

 当社では、地球環境への負荷低減に寄与する船舶を開発・建造し国際社会へ貢献するべく、実海域における推進性能を把握するため、既に就航している自社建造バルクキャリアにモニタリングシステムを搭載し、運航データの収集及び性能評価を行っています。その取り組みにおいて、株式会社シップデータセンター(ShipDC)が提供するIoS-OP *1の枠組みをフル活用しました。
 運航データは、古野電気株式会社の”FURUNO Open Platform”(FOP)*2を通じ、船内収集およびIoS-OPのデータセンターへ陸上送信された後、NAPA Ltd.の”Fleet Intelligence” *3により解析されています。解析されたデータはIoS-OPの共通ルールに基づき当社へ共有され、造船所から就航中の船舶の性能モニタリングが可能となっています。本船は建造時点から、運航データの収集・流通・活用基盤たるIoS-OPの全ての要素が組み込まれた初の船舶となっています。
 本船には当社が開発した省エネ付加物が装備されており、IoS-OPにより、これらの機能の実運航上での効果のモニタリングなども関係者間で可能となることから、更なる船舶の性能改善が期待されます。

 当社では、引き続きモニタリング結果を活用し、地球環境への負荷低減に寄与する実海域性能に優れた船舶を提供してまいります。

以上

*1 Internet of Ships Open Platform。船舶の運航データについて、船社などデータ提供者の利益を損なわずに関係者間で共有し、造船所、メーカー等へのデータ利用権や各種サービスへの提供を可能とするための共通基盤。
*2 古野電気が提供する船陸間データ収集プラットフォームサービスの総称。本件ではFOPユニットを本船に搭載し、航海データ記録装置(Voyage Data Recorder: VDR)から航海系データを、データロガーから機関系のデータをそれぞれ収集しShipDCへ送信している。
*3 パフォーマンスモニタリング、レポート機能、性能解析、航路最適化システムを有したNAPA社提供のクラウドサービス。

IoS-OPにおける各社の役割