Sanoyas

ゼロエミッション船及び燃料タンク、燃料供給システムの増産設備導入について

株式会社新来島サノヤス造船

 当社は、造船所及びタンクメーカーとして、ゼロエミッション船建造のための生産設備の整備、加えて燃料タンク、燃料供給システム増産のための設備導入を決定しました。これらの設備は2025年より順次、導入を進め、2028年に導入完了を予定しております。なお、本設備投資は2024年9月20日に公募された環境省と国土交通省の連携事業である「ゼロエミッション船等の建造促進事業」に採択されております。

 当社は舶用ガス燃料タンクとして、CO2排出量削減に貢献するLNG燃料タンク及び燃料供給システムを生産しておりますが、生産メニューをゼロエミッション燃料として有望なアンモニアタンクに段階的に切り替えていく計画です。LNG燃料とアンモニア燃料のエネルギー密度比から、燃料タンクの需要は大きく増加すると見込んでおり、今回の設備投資により大阪製造所でのタンク生産能力倍増を予定しています。これに併せて水島製造所での燃料供給システムの生産能力も倍増を目指します。新来島グループは新燃料船対応の自動車運搬船の建造シェア拡大を企図しており、当社は燃料タンク及び燃料供給システムの生産能力増強により供給サイドでサポートして参ります。

 また、当社の主力船型であるばら積み運搬船についてもゼロエミッション対応を進めます。大型クレーン新設等、艤装工事能力増強を意図した艤装ドック・岸壁の整備を行い、新燃料導入に伴う建造期間及び艤装工事量増加に対応します。油焚き船建造比率100%(新燃料船0%)の現状から、2033年には新燃料船比率70%(うちゼロエミッション船は15%)、2038年には100%(うちゼロエミッション船は30%)を目指し、その他の取組も通じて、国際海事機関の定めるGHG削減戦略に先んじて、2050年より前に当社建造船舶のゼロエミッション船比率100%を目指します。

 当社を含む新来島グループは中期経営計画にてカーボンニュートラル社会実現のための環境ニーズ対応強化を掲げており、次世代燃料船の開発・建造、工場GHG排出量削減に取り組んでおります。ゼロエミッション船の開発を加速させ当グループ建造船のゼロエミ化を進めるとともに、今回の設備導入により生産プロセスの合理化を推し進め、再生可能エネルギーや脱CO2技術導入も行って生産工程におけるCO2排出量の大幅な削減に取り組みます。地域社会への貢献を鑑み、こちらも2050年期限を前倒しして工場のカーボンニュートラルを実現できるよう努力をして参ります。