日本の近代的な造船所が江戸時代末期(ペリーの黒船来航で知られる時期です)に作られ、明治時代にイギリスから技術を学んで本格的に造船業が始まりました。造船業は日本の近代化を促進し、他の重工業の発展にも貢献しました。
第二次世界大戦後、日本の造船業は壊滅的な打撃を受けたものの、技術力と優れた労働力で復興を果たしました。昭和31年には進水量でイギリスを抜き、世界一の造船国となります。オイルショックを経ても、技術力を保ちながら世界シェアの35%を占め、中国、韓国とともに世界をリードする造船大国として現在も活躍しています。
食料や資源の輸入、また機械をはじめとする工業製品の輸出など海に囲まれた日本では海外と行う貿易のうち、実に99.6%が船舶による海上輸送に依存しています。
国際貨物輸送における海上輸送
(日本船主協会資料より作成)
船舶による海上輸送
99.6%
航空輸送
0.4%
世界の輸送機器別貿易額シェアを見ても、海上輸送は全体の2/3を占める最も重要な貿易手段と なっています。またその荷動き量も年々安定した増加を続けています。
国際貿易・貨物統計の比較分析
(Global Insight資料より作成)
海上輸送
67%
陸上輸送
18%
航空輸送
15%
船の持ち主のことを「船主」といいますが、その船主国別の保有隻数において、日本は世界有数の地位にあります。
イギリス1394隻
ノルウェー1381隻
ロシア1144隻
ギリシャ3169隻
ドイツ1911隻
中国4503隻
韓国1318隻
シンガポール1201隻
インドネシア1580隻
アメリカ1209隻
日本4100隻
船主国別船腹量(隻数)2020年末時点
(IHS資料より作成)
*1,000総トン以上の貨物船を対象
統計の残っている1926年から85年間で、世界の造船市場は60倍に成長。 貿易を支える手段として、何度も不況を乗り越えながら力強く成長を続けている業界です。
世界地域別竣工量の推移(1926年〜2020年)
(IHS資料より作成)
(各種データ参照元:日本造船工業会 造船業界就職ハンドブック)
バルクキャリア船は、梱包されていない穀物、鉱石、セメントなどのバラ積み貨物を輸送する専用の貨物船です。一般的に、鉄鉱石、穀物、石炭を三大バルク貨物と呼びます。
鋼鉄製のコンテナで様々な機械や加工食品など、あらゆる荷物を運ぶ輸送船です。活躍の機会が非常に多い船舶です。
船内に大型タンクを備え、原油を運ぶ輸送船です。効率的に大量の原油を運ぶため、大型のものも数多く存在します。
気化しやすい液化天然ガスを運ぶため、マイナス161度の超低温冷却設備と特殊な構造を持つタンカーです。
旅客輸送のために建造された船。旅行の目的やスタイルにより、船舶の規模や形状、設備もバラエティに富んでいます。
他に、PCC、ケミカルタンカーなどの種類があります。